家づくりコラム

  • 構造

出来るだけ隙間のない家をつくりましょう

明星光紀
更新日

穴の開いたバケツに水を注いでも水があふれる事はありません

マイホームを快適にする方法はいくつかありますし、快適という定義も人それぞれなので一概にこれがベストという事はありませんが、私達が主に「快適な家をご提供したい」と考えてお客様に提案する際は以下の項目を考慮しています。

そこで今日は省エネ住宅を建築する際、特に重要な断熱や隙間に関する事についてご紹介します。

私達が提供している木造住宅に限らず、軽量鉄骨住宅やコンクリート住宅でも長期間にわたって建物を維持するためには換気という考えは重要です。従って、床下、屋根(天井裏)、外壁等では常に空気が動くような構造になっていますし、建築基準法でも家全体(厳密に言うと居室に関する部分)の空気を1時間で0.5回換気出来るような設備を設けないといけないとされています。(これは維持管理というより室内環境を健全に維持する目的がメインです。)

換気する為には開口が必要ですが、開口を作ると隙間の多い家になってしまいますし、隙間を無くしつつ換気をしようというのは一見矛盾しているように感じますよね?

ところがこの両者を実現させようと色々な工法や設備機器が考え(発売)られ、世の中に提供されています。

実は断熱に対する意識の低かった頃の住宅はそれほど隙間に対して意識が向く事はありませんでした。(向いていなかった訳ではないので、それほど重視されていませんでした。)

ところが、ここ10数年、特に東日本大震災以降は一気に断熱や隙間に関する意識が高まりました。というのも、脱原発を考えた場合にエネルギーをそれほど多く使わない住宅の必要性が認識された為です。

こう考えれば納得できると思います。

穴の空いたバケツ(隙間の多い住宅)にどれだけ水(エアコン等の空調機器を動かすエネルギー)を注いでもバケツが満杯になる(家が快適になる)事はない。って。

この状況を打開するには穴を塞ぐしかありません

せっかく新しい家を作るですから、快適に暮らしたいはずですし、電気料金(エネルギー使用量)も少ないに越した事はないはずです。

私達もそう思っているくらいですので、しっかり対策を考えてお客様にご提案していますが、さらに以下のような方法で隙間を少なくする事も出来ます。

これらの方法はコストアップに繋がりますし、普段私達がご提案している住宅と実際どれくらい快適さが違うのかをすぐに体感出来ない事もあるので採用する事に関して二の足を踏んでしまうと思います。

しかし、光熱費等を数値化して比較する事やバケツ理論で物事を考えればその有効性はご理解いただけると思います。

しつこいようですが、今私達が提供しているお家の隙間が多いと言っている訳ではありませんし、これからもコストをそれほどかけずに隙間を極力なくしていけるように改善努力はしていく所存です。ただ、隙間のあるなしで生活の豊かさは変わってくるという事を覚えておいて下さり、家づくりの際に役立てて頂ければと思い今日はご紹介しました。

入居後に簡単に改善(リフォーム)出来る事でもありませんので、これから家づくりをされる方は是非参考にして下さいね。