家づくりコラム
- 屋根
優れた屋根仕上げ材料なのに瓦の採用率が徐々に下がっている理由
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瓦の採用率が低くなってきました
これまで弊社が建築する住宅の多くは屋根の仕上げ材に瓦が採用されていました。しかし、ここ数年は瓦の建物は徐々に減って来て、今では半々の割合となっています。
どうして瓦の採用は減ってきたのでしょうか?
そこで、今日は瓦の事についてご紹介したいと思います。
瓦は耐久性とメンテナンス性にすぐれた材料です
マイホーム取得割合が高いのは七尾周辺だけでなく北陸地方全域にいえる事なのですが、住宅の面積も他の地域に比べると大きいという傾向もあります。参考までに一位は富山県の179.30㎡(54.24坪)で、富山県を筆頭に福井県が2位、石川県は4位と上位にランキングされています。(日本の平均は133.60㎡(40.14坪)です)
※総務省統計居「社会生活統計指数-都道府県の指標-2013 より
何で住宅の面積が大きいのかというと、統計的にみると北陸地方は核家族が少ない(2世帯住宅等が多い)傾向があるからだそうです。
- 何代にも渡って長く住み続ける家だから少しでもメンテナンス費用がかからないものを採用したい
- 雪の降る地域は昔から瓦と決まっている
そんな想いもあって、昔から瓦を採用する事が当たり前のようになっていたのだと思います。実際、私達も数ある屋根材の中で瓦は優れた材料だと思っていますし、良くお客様にもご提案しています。私達が考える瓦の良い点は大まかに以下の3点です。
- 耐久性に優れている
- 断熱性に優れている
- 防音性に優れている
瓦はカラーベストやGL鋼板のように塗装による着色ではないので、色落ちしたりする心配が少なく、長い期間にわたって美しさを保ってくれます。また海が近くても塩害も恐れが低いというのもかなりメンテナンス的には有利です。また、施工上の問題で瓦のしたには空気が流れるような仕組みになっています。空気層があるという事は
- 瓦から伝わってくる熱気を逃がしてくれる
- 瓦自体も熱を通しにくい
よいう点で断熱性や防音性に優れていると言えます。
デメリットはこの2点です。
- 屋根が重たくなる
- 屋根の傾斜が急になる(外観デザインの問題)
材料1枚あたりの重さが3kg弱あるので、屋根がかなり重たくなるという事です。重たくなると耐震的にも不利なので、他の仕上げ材に比べると構造をより強固にしないといけません。また、瓦の場合、屋根の傾斜がつよくなるので、片流れ屋根等の最近人気のあるデザインが採用しにくいという事もあります。(外観デザインが良くないという意味です)
これらの理由で近年の瓦の採用率が減っていると思われます。しかしながら、最近では屋根をすっきり見せる瓦やデザインに優れた瓦もありますので、「瓦を採用したいけど、デザイン的に和風になるのでは?」と心配されている方は住宅メーカーの担当者さんに問い合わせてみて下さいね。