家づくりコラム

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大きい家が豊かな生活をもたらしてくれるという妄想

明星光紀

家は大きければ良いというものではありません

家づくりをする際、先に家を建てた友人から体験談や感想を聞くのはとても大事です。

そういう想いが強ければ尚更です。しかし、これらの気持ちに加えて「友達によく見られたい」といった見栄なども作用することから、要望を詰め込み過ぎた結果、知らず知らずの間に間取りが大きくなってしまうという事も往々にしてありますし、大きくないと豊かな生活を送れる家が建たないのではないかと思う方も時にいらっしゃいます。

家を大きくするのは良いのですが、その結果入居後の生活(家計)が苦しくなり、不安だらけの家になってしまったのではせっかく作った家なのに満足とは程遠くなってしまいます。

したがって、資金計画をしっかり検討して建物にあてられる予算を把握し、予算内で無理のない家づくりをすることが大切だと私達は考えます。

そこで今日は家づくりの予算と光熱費等のランニングコストの両方を出来るだけ抑えられる方法について今日はご紹介します。

家をコンパクトにするメリット

家づくりの予算と光熱費等のランニングコストの両方を出来るだけ抑えられる方法とはズバリ【出来るだけ家をコンパクトにする】という事です。

出来るだけ家をコンパクトにすれば、土地の購入費用や外構工事費を抑える事が可能になるし、子供が巣立って夫婦2人だけの暮らしになった時も維持管理にかかる手間や費用も抑える事が出来るのです。

また、家をコンパクトにすると品質や性能を落とすことなく(品質や性能をグレードアップして)家の価格を抑えることが出来ます。

なぜなら、建築費用を最も左右させるのは“面積”だからです。

あまり家(間取り)ありきで土地を探す人はいませんが、比較的小さめ(例えば50坪程度)の土地にコンパクトなお家を建築した場合、建物や駐車場以外の敷地に余白(未利用スペース)を無駄に残す事もなくなるので、外構工事にかかる費用が抑えられるというメリットもあります。

建物だけでなく土地購入費用を抑えられれば、入居後の家計も大助かりだし、経済的な面だけみればいう事無い事がお分かり頂けると思います。

光熱費も住宅ローンの一部として考えましょう

家をコンパクトにするもう一つのメリットは光熱費も抑える事が出来るという事です。冷たくしたり、暖めたりする空間容量が小さくなるので、当然といえば当然です。

光熱費は、終わりがある住宅ローンとは違い、住んでいる限りは生涯ずっと支払いを続けなければいけないコストです。そう考えると家をコンパクトにした場合のメリットはご理解いただけると思います。

では、家の固定資産税はどうなのでしょうか?

光熱費同様に面積が小さい家の方が間違いなく安くなります。土地の固定資産税(都市計画税)も家の固定資産税(都市計画税)と同じで、同じ評価額の土地で比較すると、より小さい土地の方が、土地の固定資産税をより抑えることが出来るのです。

最後に

家が完成すれば、家づくりは終わりかもしれませんが、生活は完成からがスタートです。入居後の生活の方がある意味大切ですし、光熱費や税金といった継続的にかかる費用もありますので、それらの費用のことも家づくりの際には考えてみるのも良いと思います。

また、開放感・住みやすさ・使いやすさなどは必ずしも家の大きさに比例するわけではないし、設計を工夫する事によって実際の面積以上に広く感じる空間をつくる事は可能です。

数字上の大きさだけで判断して、家を大きくつくり過ぎないようにご注意いただき、予算の把握をした上で予算内での無理のない家づくりを行ってくださいね。