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“変動金利”と“固定金利選択型金利”と“固定金利”の特徴について

明星光紀

3つの金利の違いを把握しましょう

先日のコラムでは住宅ローン商品は、大きく分けて“変動金利”と“固定金利選択型金利”と“固定金利”の3つしかないとお伝えしました。

今日はそれらの特徴についてお伝えしていきます。

変動金利

変動金利は、金利が安いというメリットを持っていますが、貸出金利が市場の動向に左右されてしまうことから、将来の金利が分からないですし、最終的に返済する額も全く予想出来ません。

一般的にこの商品を利用すると有利になる方は【自己資金が多く借入金額が少ない方だったり、短い返済期間にて住宅ローンを検討されている方だったり、もし金利が上がりそうになった時には、まとまったお金を返済出来るような経済的余力がある人】となっています。

逆に考えると【自己資金が少なく借入金額も多い、そして返済期間も長期で検討している、また貯金が苦手だという方】には、あまりオススメ出来る商品ではありません。

では、その理由となる特徴について詳しくお伝えします。

変動金利の商品は半年ごとに金利を見直すのですが、仮に半年後に金利が上がったからと言っても、返済額がそれに連動して上がるというものではなく、返済額ではなく内訳(元金と利息の割合)が変わります。

例えば、返済額が70,000円(元金45,000円、利息25,000円)だとしたら、元金が35,000円、利息が35,000円になるといった感じです。

ですから金利が上がってしまった場合には、利息の割合が増え元金の減りが遅くなってしまうということになります。

また、変動金利期間が終了した際に金利がさらに上昇している場合も考えられます。その場合、毎月の返済額は上がりますが、現在の支払い額の1.25倍以上にはならないという制限がありますのでご安心ください。例えば、現在の返済が70,000円だとしたら、どれだけ金利が上がったとしても87,500円以上の返済額にはならないということです。

とはいえ、金利が上がってしまった場合でも、急に返済がキツくなることはないものの、元金が全然減らないという状況を招くわけですから、徐々に徐々に住宅ローンに苦しめられていくようになるので、その点をご理解いただいた上で選んでいただければと思います。

ここまで説明しておいてなんですが、北國銀行さんにしても北陸銀行さんにしても実は変動金利は次にご紹介する【固定金利選択型金利】より高いです。したがって、私達のお客様の多くは固定金利選択型を選ばれるし、私達もそれをオススメしています。という訳で次は固定金利選択型金利のご紹介です。

固定金利選択型金利

固定という単語が入っているため、固定金利の仲間のように感じますが、実際のところは変動金利の仲間です。

銀行に行ったことがある方なら、3年固定、5年固定、10年固定といった住宅ローン商品をお聞きしたことがあると思います。北國銀行、北陸銀行、ろうきん、JA、のと共栄信用金庫、いづれの金融機関も住宅ローンの主力商品としているのが、この固定金利選択型金利です。

金利設定や金利の固定期間は各銀行によって様々ですが、固定期間が短ければ短いほど金利が安いのが特徴で、私達のお客様の多くが利用している商品です。

この商品は、当初固定期間だけは低い金利が設定されているし、返済が変わらず安心ですが、期間が満了し、再度同じ住宅ローンを選ぼうとした場合、商品の性質上、貸出金利が上昇します。

この商品を選ぶ上で気を付けなければいけない点は、先程の変動金利と違って、返済額の上限ルールがない点です。

つまり、一気に返済負担が上がってしまうかもしれないということです。

しかし、商品によっては金利が上がると分かった時には金利が上がらない内に手数料を支払って返済期間を3年から10年に変更したりする事ができます。お金を借りる際に必要になる保証料(あなたの連帯保証人的な役割を果たす機関に支払うお金)が不要になる商品があったり、ローンの取り扱い手数料が商品によって変わったりしますので、その辺もしっかり検討して商品を選ぶと良いと思います。

銀行で住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険という生命保険に加入できる事が必須となっています。住宅ローン申し込み時において体調面に難が出てしまっている場合には、この保険に加入出来なくなり、住宅ローンを借りれない可能性があるので、その辺も注意が必要です。

では最後に、“固定金利”についてお伝えします。

固定金利

固定金利は、その名の通りずっと金利が固定され、一生涯返済額が変わらないという特徴を持っています。つまり安心であるということが言えるのですが、その反面、先程の変動金利や固定金利選択型金利に比べると、貸出金利が高いと言うデメリットを持っています。

また、変動金利や固定金利選択型金利に比べると、住宅ローンを借りるための初期費用も余分にかかってしまうというデメリットを持っています。

ですから、金利が高いことから返済額を基準に借入れする金額を決めるとしたら、予算は変動や固定金利選択に比べると少なくなってしまうし、その上、初期費用が余分にかかることから、さらに土地や家に費やせる予算が減ってしまうことになります。

また、この“固定金利”の代表的商品には住宅金融支援機構が取り扱う『フラット35』がありますが、この商品を選ぼうとした場合には、商品の性質上、つなぎ融資の手数料と金利という余分な費用がさらにかかってくることになりますし、フラット35の貸出金利の中には、銀行と比べると団体信用生命保険分の加算金利が割高になる場合もあるので毎月の返済額が高くなってしまう可能性もあります。

最後に

なんとなく金利の違いをご理解頂けましたか?

これらの特徴を踏まえつつ、自分に合った住宅ローン選びをすることが、『資金計画』では大切なこととなってきます。目先の金利の安さで選ぶのも危険ですし、また住宅ローンは、支払い終わってみるまで、どれが得でどれが損だということが分からないものですから、損得勘定で選ばないようにも注意していただければと思います。

次は、今までご紹介した下の2つの内容を踏まえつつ、『正しい資金計画のやり方』についてお伝えしていきたいと思います。

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